イメージ(hanac/ stock.adobe.com)
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 「闇バイト」をうたい、特殊詐欺などの実行役を交流サイト(SNS)で募ったとして、兵庫県警が9月、職業安定法違反(有害業務目的紹介)の疑いで、横浜市栄区のドラム講師の男(27)を逮捕していたことが分かった。捜査関係者によると、国が今年3月、闇バイトの募集行為を違法と明確に示して以降、リクルーター役を同法違反容疑で逮捕したのは全国初とみられるという。

 SNSでの闇バイト募集については、政府の犯罪対策閣僚会議が今年3月、緊急対策プランを策定した。犯罪実行者を募る情報の発信は「公衆衛生上有害な業務に就かせる目的」での労働者募集などとし、同法違反に該当するとしていた。

 捜査関係者によると、県警特殊詐欺特別捜査隊は9月12日、職業安定法違反容疑で男を逮捕。県警の調べに容疑を認めているといい、神戸地検が10月24日、同法違反と犯罪収益移転防止法違反の罪で起訴した。

 起訴状などによると、6月2日、何者かから求人依頼を受け、X(旧ツイッター)で「闇バイト」「即金案件見つけました! かなりの高額案件です!」などと書いた求人情報を投稿。応募者に「ud(特殊詐欺の受け子役、出し子役)と叩き(強盗)抱えててそれができる人材が欲しいですね」などと持ちかけ、犯罪行為の実行役に勧誘するなどしたとされる。

 男は応募者とのやりとりに通信アプリ「テレグラム」などを使用し、「僕はリクルーターです」「1千万単位で稼げる現場もあるという話は聞いていますね」などと伝えたとされる。県警は有害な業務に就かせる目的で職業を紹介した疑いがあると判断した。

 特殊詐欺の闇バイト募集に絡む職安法違反事件では、宮城県警も10月24日、高知市に住む20代無職の女を逮捕している。