親子が乗った軽乗用車が止まっていたとみられる現場=10日午前9時37分、高砂市米田町
親子が乗った軽乗用車が止まっていたとみられる現場=10日午前9時37分、高砂市米田町

 9日午後10時50分ごろ、兵庫県高砂市米田町米田新の河川敷にある公園に止まっていた軽乗用車の車内で、男児と女児が倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。高砂署によると、その直前、2人の母親(27)から「子どもが死んでいる」という内容の110番があった。母親は運転席にいて手首から出血していたが、命に別条はないという。

 高砂署によると、亡くなったのは同県加古川市の男児(10)と女児(3)。2人は後部座席で口から泡を吹き、意識不明の状態で横たわっていた。目立った外傷や着衣の乱れはなく、車内からは練炭が見つかった。

 署は現場の状況から、母親が3人で無理心中を図った可能性があるとみて調べている。遺書は見つかっていない。親子は3人暮らしだったという。

 加古川市家庭支援課によると昨年6月、母親から夫婦間の問題で相談が1度あったという。自宅周辺の住民の話では、親子3人は昨年秋ごろ、同市内の別の場所から転居してきたとみられる。

 軽乗用車が見つかった現場は、JR宝殿駅から約1・5キロ南東の加古川の河川敷。

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自殺を思いとどまってもらおうと、公的機関や民間団体が相談窓口を開いている。

 兵庫県は、平日昼間は各地域の健康福祉事務所で、夜間や土日祝日は「いのちと心のサポートダイヤル」で電話相談に応じる。

 このほか、弁護士や精神保健福祉士が対応する窓口(TEL078・341・9600)では、家庭生活や経済問題など専門的な問題に即応し、心のケアも担う。神戸市が開設する「自殺予防とこころの健康電話相談」(TEL078・371・1855)もある。