海底に捨てられたとみられる凶器を捜索する捜査員ら=11日午後1時39分、姫路市大津区吉美
海底に捨てられたとみられる凶器を捜索する捜査員ら=11日午後1時39分、姫路市大津区吉美

 たつの市で2006年、小学4年の女児が刃物で刺され重傷を負った事件で、殺人未遂容疑で逮捕された勝田州彦容疑者(46)が、凶器とされる刃物について「海に捨てた」と供述していることが11日、捜査関係者への取材で分かった。兵庫県警は同日、供述に基づき姫路市大津区吉美の海を捜索した。

 事件は06年9月28日午後6時20分ごろ、たつの市新宮町の路上で発生。勝田容疑者は帰宅中だった女児=当時(9)=の胸などを複数回刺し、殺害しようとした疑いが持たれている。

 県警は発生から18年が経過した昨年11月7日に逮捕。勝田容疑者は調べに「女の子を刃物で刺したことに間違いない」と行為を認める一方、殺意を否認したとされる。捜査関係者によると、逮捕前の任意の聴取では刃物の形状などを詳細に説明し、「捨てた」と話したという。

 捜索は午後1時半過ぎ、海底探索の専門業者と捜査員ら計約20人態勢で始まった。工場が立ち並ぶ埠頭付近の海に業者の潜水士が飛び込み、磁気探査機を使って調べたが、初日は発見に至らなかった。捜索は数週間にわたる見通しで、海底の土砂も引きあげて確認作業を進める。

 勝田容疑者は、加古川市で07年に小学2年の女児=当時(7)=が刺殺された事件でも殺人容疑で逮捕された。逮捕後は黙秘しているが、それ以前の任意聴取に「片刃のクラフトナイフで刺した」との趣旨の説明をしたとされ、県警は今月下旬以降、加古川事件の凶器についても同県播磨町の海で捜索する方針。

 神戸地検は勝田容疑者の刑事責任能力を調べるため、昨年12月11日から鑑定留置を行っている。期間は3月14日まで。