2007年発表のシングル「ポリリズム」の直筆サイン入りポスター。左は当時、出演番組の担当をした五十嵐啓二プロデューサー=神戸市中央区東川崎町1、ラジオ関西(撮影・長嶺麻子)
2007年発表のシングル「ポリリズム」の直筆サイン入りポスター。左は当時、出演番組の担当をした五十嵐啓二プロデューサー=神戸市中央区東川崎町1、ラジオ関西(撮影・長嶺麻子)

 3人の笑顔が初々しい。まだ10代のころ。神戸情報文化ビル7階のラジオ関西本社。CD、レコード合わせて20万枚以上を保管する「レコード・CD資料室」に、「Perfume(パフューム)」の5枚目のシングル「ポリリズム」のポスターが貼られている。3人の直筆サイン入りで、「きゃりーぱみゅぱみゅ」「SEKAI NO OWARI(セカイノオワリ)」ら人気アーティストと並ぶ。

 ラジオ関西の音楽番組で推薦曲に選ばれた縁もあり、2007年9月、発売直後に3人が来訪し、番組にゲスト出演した。テンポのよさ、心地いいリズム、耳に残る歌詞で、NHKや公共広告機構(現在ACジャパン)の環境保護キャンペーンのテーマ曲に採用された。

 収録後、スタッフにプレゼントしてくれたのが先のポスターだった。応対したプロデューサーの五十嵐啓二さん(55)は、「まだ芸能界に慣れていない純粋な女の子たち。なのにすでにアイドルの風格が漂っていました」と振り返る。

 エフェクターがかかった無機質な歌声とダンスのセンスに将来性を感じたという。番組内で聞く生の声はかわいくて、そのギャップも魅力だった。「素直な明るさは親しみやすかった」と五十嵐さん。収録後、「君たちは間違いなくブレークすると思うよ。でも、そうなると、もう地方のラジオ局には来てくれなくなるよなあ。さみしいよ」と、冗談ぽく声をかけた。

 「そんなことないですよー。また必ず来ますって!」。そう元気に返してくれた3人の笑顔が忘れられない。「あれから10年以上も第一線で活躍するアーティストに成長するとは想像していませんでした」

 9月9日に兵庫県立美術館(神戸市中央区)で開幕する「パフューム・コスチューム・ミュージアム」の合間に立ち寄ってくれないだろうか-。五十嵐さんは再会を待ちわびている。(津谷治英)

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 神戸新聞創刊125周年記念・特別展「Perfume COSTUME MUSSEUM(パフューム・コスチューム・ミュージアム)」は9月9日から11月26日、兵庫県立美術館(神戸市中央区脇浜海岸通1)で開かれる。