天下太平や五穀豊穣、子孫繁栄を祈り、奉納される「翁」の舞=丹波篠山市黒岡
天下太平や五穀豊穣、子孫繁栄を祈り、奉納される「翁」の舞=丹波篠山市黒岡

 丹波篠山に新春の訪れを告げる元朝能「翁神事」が1日、丹波篠山市黒岡の春日神社で催された。今年で47回目を迎えた恒例行事。年が改まった午前0時20分ごろに始まり、国内で最も早い演能とされる。

 境内にある国重要文化財の能舞台に、笛と小鼓の音が響く。大勢の観客が見守る中、観世流の能楽師・梅若紀長さんが「翁」役を務め、天下太平や国家安穏、五穀豊穣(ほうじょう)を祈って、扇を手に厳かな舞を披露した。舞台へはおひねりが飛んだ。

 英国から丹波篠山に移住し、農業にも取り組むソフトウエアエンジニアの男性(39)は、両親とともに見物し、「日本文化に触れることができて良かった」と満足げな様子。東京から訪れた女性(52)は「『翁』は能楽堂でしか鑑賞したことがなく、初詣客がいる神社で見るのは新鮮だった」と笑顔だった。

 新年を迎えたばかりの神社では、市民らが行列を作って参拝し、家族の健康などを祈願していた。知人を見つけて、「あけおめ」などとあいさつを交わす若者らの姿もあった。(堀井正純)