藤井聡太王位(右)と福間香奈女流王位=関西将棋会館
藤井聡太王位(右)と福間香奈女流王位=関西将棋会館

 将棋の王位戦、女流王位戦(いずれも神戸新聞社主催)の覇者、藤井聡太王位(23)と福間香奈女流王位(33)による対談をお届けします。2025年、藤井王位は伊藤園お~いお茶杯第66期王位戦7番勝負で、永瀬拓矢九段(33)を4勝2敗で破って6連覇。福間女流王位は第36期女流王位戦5番勝負で、伊藤沙恵女流四段(32)を3勝2敗で退け、7連覇(通算11期獲得)を果たしました。2026年、プロ入り10年の節目を迎える藤井王位はさらなる飛躍を誓い、女性初のプロ棋士を目指して棋士編入試験に臨む福間女流王位は、出産後の心境の変化について語りました。

 -2025年はどんな年でしたか。

 藤井 序盤の作戦の幅を広げていこうと意識した年でした。2手目に初めて3四歩と突いて、雁木を採用したのも、その意識からです。ある程度、手応えを得られましたが、中終盤の精度に課題が残りました。持ち時間が限られた終盤戦で、時間内に決断するのは実戦ならではの技術を要しますが、現状はうまくいっていないように感じています。作戦の工夫だけでなく終盤の力も、しっかりと高めていきたいです。

 福間 24年12月に長男を出産しました。産前に予定されていた対局が産後に回り、女流棋士になってから一番忙しい時期でしたが、自分なりに精いっぱい戦い抜くことができました。