普及を続けてきた実績が評価され、第51回関西棋院賞の山野賞を受けた堀田陽三・九段=神戸市垂水区陸ノ町、神戸囲碁倶楽部
普及を続けてきた実績が評価され、第51回関西棋院賞の山野賞を受けた堀田陽三・九段=神戸市垂水区陸ノ町、神戸囲碁倶楽部

 囲碁の普及に貢献した棋士に贈られる「第51回関西棋院賞・山野賞」に、堀田(ほった)陽三・九段(67)=神戸市垂水区=が選ばれた。神戸囲碁倶楽部(くらぶ)(同区)を約20年間主宰してきたことや、久保田大四段(41)▽渡辺貢規(こうき)四段(26)▽阿部良希四段(27)▽安田明夏(あきか)初段(21)の4棋士を育てた実績などが評価された。「勝敗の数字でないところで認めてもらえた」と喜ぶ。

■子どもの成長に碁を活用

 堀田九段は西宮市生まれ、故窪内秀知九段門下。1973年に入段し、同棋院理事だった2001年には、同棋院が立ち上げた子ども教室「関西棋院囲碁学園」の初代代表を務めた。

 当時からモットーとしているのは、囲碁の上達だけを目的とせず、子どもを成長させる道具として囲碁を活用させることだ。礼を重んじ、盤や石を大切にする心を養うことはもちろん、特に重視しているのは、思い通りにならなかった場合の対処法だ。「自暴自棄にならず、強い心を持てるかどうか。辛抱して次のチャンスを待ったり、間違いを糧にして次に生かしたりといったことが、実社会でもできるようになってほしい」と話す。