「柳田国男自伝 故郷七十年・拾遺・補遺」の校注を手がけた石井正己・東京学芸大名誉教授=兵庫県福崎町
「柳田国男自伝 故郷七十年・拾遺・補遺」の校注を手がけた石井正己・東京学芸大名誉教授=兵庫県福崎町

 兵庫県福崎町出身の民俗学者、柳田国男(1875~1962年)の自伝「故郷七十年」と没後に発表された「拾遺」に、その豊かな知的交流を物語る「補遺」24編を加えた新版が、文庫本で出版された。柳田の生誕から今年で150年を迎えたが、本書で問いかけられる家族や故郷との関わり方は、現代人が直面する課題に向き合うためのヒントにもなりそうだ。