1454人。兵庫県で2024年の1年間に認知症やその疑いがあり、警察に届け出があった行方不明者の数だ。超高齢化社会が進展し、全国で認知症患者が行方不明になる事案が相次いでいる。かけがえのない家族が命を落とし、自責の念に駆られる人もいる。家族だけではなく、地域全体での見守り体制の充実が喫緊の課題となっている。
■人けのない護岸で
「どうやってこんなところに-」。神戸市西区の閑静な住宅街で暮らす男性(69)は生前の妻=当時(70)=の足取りをたどる。
2年前の2024年1月2日。世間が正月ムードに包まれる中、男性の妻は自宅から直線距離で約23キロ離れた同市北区有野町の神戸電鉄二郎駅付近にある川の護岸で遺体となって見つかった。
田んぼ道や竹やぶを抜けた先にある川岸に向かうスロープ上であおむけに倒れていた。現場となった護岸は知っている人でもほとんど立ち入ることのないような場所だった。
DNA型鑑定の結果、約1カ月前から行方が分からなくなっていた妻と特定された。兵庫県警によると、少なくとも死後2週間以上が経過していたとみられ、死因は凍死だったという。所持品はなく、黒のトレーナーにジャージー姿と季節外れの薄着姿だった。
21年の夏、妻はアルツハイマー型認知症と診断を受けた。当時67歳。予約していた飛行機に乗り遅れてしまうという些細なことから始まった違和感は徐々に大きくなり、周囲から受診を促されるようになった。
■「目を離さなければ」
行方不明になったのは、初めてではなかった。22年3月にも、男性が午後8時ごろに仕事から帰宅すると自宅に妻の姿はなかった。もしものために妻の携帯電話と連動させておいた位置情報アプリを頼りに行方を捜した。
























