将棋の若手棋戦「第15期加古川青流戦」(加古川市など主催、神戸新聞社共催)決勝3番勝負の第2、3局が13日、同市の鶴林寺で指され、吉池隆真四段(20)が通算成績2勝1敗で柵木幹太四段(27)を破り、初優勝を果たした。
今期、決勝に進んだ2人は共に居飛車党で、12日の第1局は吉池が先勝。第2局は先手番の柵木が矢倉に構え、吉池は得意の雁木を採用した。柵木は4筋から積極的に仕掛け、相手の陣形を崩しながら攻撃。最後は自玉の堅い囲いを生かして吉池の猛追を振り切り、119手までで勝って、1勝1敗のタイに持ち込んだ。
最終第3局は、振り駒で吉池が先手番に。角換わり戦となり、吉池は得意とする右玉に構え、4六角を据えた。柵木も8四角と打ち返して応戦。次第に吉池が優勢となり、懐の深い自然な指し回しで、柵木の追い上げを手堅くかわし、169手の熱戦を制した。
吉池は2年前に決勝で敗退。その雪辱を果たし、「いつの日か、もう一度、加古川に戻って、栄冠を手にしたいと思って、ずっと意識してきた」と喜んだ。決勝初出場の柵木は「応援の声がすごい力になって、3局指せた。感謝しながら、これからの対局で恩返ししたい」と話し、再挑戦を誓った。(小林伸哉)