沖縄尚学の甲子園優勝を祝う水アートを紹介する「やぎ氏」さんの投稿。1千万回以上表示された
沖縄尚学の甲子園優勝を祝う水アートを紹介する「やぎ氏」さんの投稿。1千万回以上表示された

 今夏、神戸空港で撮影された1枚の写真が、交流サイト(SNS)のX(旧ツイッター)で大きな注目を集めた。全国高校野球選手権大会で沖縄尚学が優勝した8月23日、駐機場に水で描かれた「おめでと~」「祝日本一」、沖縄方言のあいさつ「またや~さい」(またね)などのメッセージを紹介。投稿は1千万回以上表示されて27万の「いいね」が付き、2・2万回リポストされた。

 投稿者の「やぎ氏」さん(@hiiiiii_jaaaaa)によると、写真は沖縄尚学を応援するため甲子園球場(西宮市)で決勝戦を観戦後、午後6時10分に神戸を出発する那覇行き「SKY597便」の搭乗前に旅客搭乗橋から撮影。「神戸空港からのメッセージ」という短文と涙を流す顔文字を添えて発信すると、「ほんとに泣ける」「素敵な思いやり」など多くのコメントが寄せられた。

 航空会社のスカイマークが手がける「水アート」で、航空機の誘導や手荷物の積み降ろしなどを担うランプスタッフが業務の合間に噴霧器で描いた。野球のボールや手を振る絵も入れた。同社は「試合や応援で、この夏日本中を盛り上げてくれた沖縄県民の方々へお祝いと感謝を伝えたいと思った」と説明する。

 水アートは新型コロナウイルス禍に那覇空港で始めた。移動が制限された中でも利用してくれた旅客に感謝の思いを伝えるためだ。

 神戸空港支店のスタッフでは約10人が描けるといい、フライトを楽しんでもらえるデザインを心がけているという。神戸の風景に加え、行き先に応じて、雪だるま(新千歳)や牛タン(仙台)、ウミガメ(那覇、下地島)などの絵も。各自が時間を見つけて練習し、新作を考えているとか。

 神戸空港を「西の拠点」と位置付け、2006年の開港当初から運航を続ける同社。第1ターミナルビルでも、季節に合わせて黒板アートや装飾などを手がける。「他社とは違う身近さやおもてなしが記憶に残り『スカイマークいいよね!』と思っていただけるよう、社員一丸となって取り組んでいる」としている。

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 同社は来年2月16日の神戸空港就航20周年を前に、特設サイト(https://www.skymark.co.jp/ja/campaign/kobe20th_anniversary/)を開設した。記念ロゴも制作し、各種企画を準備しているという。(大島光貴)