住友ゴム工業(神戸市中央区)は、宇宙空間の過酷な環境でも劣化せずに使える「宇宙用ゴム」の開発を進めている。紫外線や高温、物質を劣化させる原子状酸素(AO)にさらされても性能を維持できる。国際宇宙ステーション(ISS)で行われる材料暴露試験(MISSE、ミッシー)への参加が決まった。(石川 翠)
実用化できれば、ISSや宇宙服のゴム製パッキン、シール材などに使われる可能性があり、小型化や軽量化による輸送負担の軽減への貢献などが見込まれるという。「極限環境で使えるゴム」として、極寒地域や放射線を扱う医療現場など地球上の過酷な環境への応用も視野に入れる。
昨春、開発に着手した。シリコンゴムの中で低温に強いとされる特殊ゴムを採用。オゾンにさらしたところ、一般的な合成ゴムはボロボロになったが、ほとんど変化しなかった。さらに素材を加え、100度の熱や地上の1年半分の紫外線に耐えられる性能にした。
神戸大大学院で宇宙工学を専門にする研究室に、試験への協力を依頼した。世界でも数台しかない真空装置があり、ISSの軌道近くに多く存在するAOを照射して環境を再現。同社のサンプルは表面に化学反応で保護膜が形成され、劣化を抑えながら柔らかさを維持すると確認できた。
これらの結果から、ISSで実際に耐久性を調べる試験への参加が決まった。サンプルは12月に打ち上げられる。宇宙空間で約6カ月間さらされた後、来年11月ごろに地球に戻る予定で、分析を改良につなげる。
今年5月、東京で開かれた国際宇宙ビジネス展に出展。電子部品メーカーの担当者から「(人体や機器の作動に影響する)電磁波の遮蔽材にも活用できるのでは」との期待も寄せられたという。住友ゴム基盤材料研究部の中園健夫部長は「想像以上に耐えられることが分かった。神大で試験ができて早く進んだ。実際の宇宙での、放射線の影響などの知見はまだないので、宇宙航空研究開発機構(JAXA)ともつながって開発を進めたい」と話す。























