兵庫県庁の庁舎=神戸市中央区下山手通5
兵庫県庁の庁舎=神戸市中央区下山手通5

 兵庫県は13日、県の財政状況の見通しについて、2030年度に破綻が懸念される「早期健全化団体」に陥る可能性があると明らかにした。県は8月にも「起債許可団体」への移行が確実となっているが、財政指標のうち、収入に対する借金返済額の割合を示す「実質公債費比率」の算定に誤りが見つかり、指標がさらに悪化した。都道府県が早期健全化団体に転落した例はない。

 有識者による検討会で県が示した。県によると、実質公債費比率は、借金の返済に充てる「県債管理基金」などを基に算定するが、ルール上、同基金に組み込めない「公共用地先行取得等事業債(用先債)」を活用して得た収入490億円を含めていたという。県がこの額を除いて算定し直したところ、同比率が年最大0・8%悪化し、30年度以降に25%を上回る可能性が出てきた。

 県は阪神・淡路大震災の復旧・復興関連費用のうち1兆3千億円を県債(借金)で賄い、24年度決算時点でも1478億円が残る。加えて、防災インフラの整備や事実上破綻した「分収造林事業」の債務処理などで借金が増加。長期金利の上昇で利子負担が膨らみ、さらに財政が悪化した。

 県債管理基金は残高が多いほど資金繰りの安定感が増すが、修正を反映する前の26年度当初予算時点で5686億円と国が定める水準の6割弱にとどまる。

 県は早期健全化団体への転落を回避し、起債許可団体から脱却するため、総務省に提出する「公債費負担適正化計画」を2段階で策定する方針。

 この日示した第1段階の素案では、使い道が決まっている「特定目的基金」を県債管理基金に積み替えるほか、公共工事などの投資規模は27年度以降に少なくとも現在より10%削減する方針を表明。27年度以降、歳入・歳出全般を見直すなどして57年度までに実質公債費比率を18%未満に抑える第2段階の計画を策定する。県庁舎の建て替えなどにも影響が出るとみられる。

 一方、県は同日の検討会で、用先債の返済を巡り、違法性のある手続きが判明したことも明らかにした。

 県は公共事業を行う用地を先行取得するため、00年度に490億円分の用先債を発行。返済期間は30年だが、土地が売れた場合は、売却益を10年ごとに返さなければならない。県の場合は、17~20年度に計338億円分が売れたが、20年度に返済せず、売る土地がないのに全額の490億円を借り換えていた。この手続きが地方財政法に抵触する可能性があるといい、県が経緯を調べている。(岡西篤志)