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 尼崎市議会の文教委員会が2月28日に開かれ、2026年度末に市立幼稚園9園のうち3園を廃止し、6園に再編する条例改正案が賛成多数で可決された。3月4日の市議会本会議で採決される。

■保育需要は急増、園児数は減少

 市教育委員会によると、共働き家庭の増加で保育需要が急増する半面、市立幼稚園の園児数は10年で約7割減少。一方、障害などで支援が必要な子どものための特設学級は定員の約8割に達している。

 こうした状況を踏まえ、市と市教委は22年度、幼保小連携やインクルーシブ教育の推進を目指す「市就学前教育ビジョン」の策定に着手。その上で23年11月、園児数の減少が顕著な竹谷(北竹谷町2)▽長洲(長洲東通3)▽小園(小中島3)-の25年度末での廃止や、再編後の4園に保護者ニーズの高い3年保育を導入することなどを含む素案をまとめた。

 しかし当時、既に24年度の園児募集を始めていたことや「拙速すぎる」との批判を受け、24年2月、廃園時期を1年先送りした成案を策定していた。

 市立幼稚園は障害のある子たちの受け皿になってきたため、文教委員会では保護者らが「行き場を失う」と訴えた。市は今後、私立幼稚園が障害のある子らを受け入れる際の補助制度を新設するなどとしているが、拡充を求める意見も相次いだ。白畑優教育長は「個別事情に寄り添い支援策を考えたい」と述べた。(広畑千春)