特殊詐欺による被害を未然に防いだとして、兵庫県警宝塚署は家電量販店の販売員、田島篤さん(46)=同県川西市=に署長感謝状を贈った。来店した高齢男性の言動から詐欺に遭っている可能性が高いと判断し、警察への通報につなげた。
9月下旬、男性(80)がジョーシン中山寺店(宝塚市中筋5)の携帯電話コーナーに訪れ、担当した田島さんにスマートフォンの購入を申し出た。特定の機種を告げられ、理由を尋ねると「守秘義務があるので話せない」と言われ、釈然としなかった。
男性は「厚生労働省から連絡があった」とも話し、田島さんは詐欺被害に遭っているのではないかと疑った。そう告げると、男性は納得していない様子で、購入せずに店を後にした。
数日後、男性が再び来店し、今度は「アルバイトを始めてスマホが必要になった」と語った。田島さんは丁寧に事情を聴き、店長に通報を依頼。署員が駆けつけ、被害には至らなかった。
同署によると、男性宅に厚労省の職員や警察官を装う人物から「保険証が不正に使われている」と電話があり、携帯電話を購入するように指示を受けたという。田島さんは「無事に止められて安心した」と笑顔を見せた。
また、特殊詐欺防止ステッカー650枚を住民に配った同市の千種ケ丘自治会にも感謝状が贈られた。中野恵介署長は「意識を高く防犯に取り組んでもらい、大変ありがたい」とたたえた。(池田大介)
























