姫路藩から江戸城の大奥に献上されていた染め物「高砂染(たかさごぞめ)」と、姫路の革。同藩が誇った二つの特産品を組み合わせ、気品あふれるかばんが誕生した。かつて高砂染を手がけていた染物屋の子孫が企画し、真っ白い革に、高砂染ならではの熊手と松ぼっくりの図柄をプリント。「大奥バッグ」と名付けたかばんは今、兵庫県姫路市本町の好古園で展示中だ。
高砂染は、江戸時代後期に傾いた同藩の財政を建て直すために生まれた特産品。幕府の便宜を期待する際に献上されたといい、大奥の実力者だった御年寄の瀧山(たきやま)が残した日記には、「万延元(1860)年五月十五日」に高砂染の反物と姫路の革を受け取ったことなどが記されている。
この史実に刺激され、高砂染の復刻に励む自営業尾崎高弘さん(57)=同県加古川市=が昨年5月、姫路市の革職人2人にかばんの製作を依頼。白い革の上にグレーの松枝模様と金色の縁起物をちりばめるデザインにたどり着き、オリジナルの商品が出来上がった。
かばんの縫製を担った革職人の一丞(いちじょう)しゅんさん(46)は「日本の伝統美の素晴らしさを再認識できた」。共に製作した金田美穂さん(54)は「ハレの日にまとう着物に合うバッグができた」と手応えを口にする。
大きめのサイズ(縦31センチ、横40センチ)と一回り小さいサイズの2種類があり、好古園で24日まで開催中の「高砂染展」で展示している。販売は来年2月からで、価格は税別15~20万円の予定。(笠原次郎)























