伊勢屋本店の御菓印(左)と御菓印帳=姫路市西二階町
伊勢屋本店の御菓印(左)と御菓印帳=姫路市西二階町

 神社の御朱印のように、全国各地の老舗菓子店が発行する来店記念証「御菓印(ごかいん)」を消費者に集めて楽しんでもらう菓子店団体の事業に、兵庫県姫路市西二階町の伊勢屋本店が参加している。まちや店の歴史を前面に押し出した御菓印を目当てに、遠方からもファンらが訪れている。

 創業60年以上の菓子店など83社でつくる全国銘産菓子工業協同組合が、加盟店の商品に広く親しんでもらおうと2023年1月に始めた取り組み。現在40社以上が参加し、各本店でのみ発行している。

 伊勢屋本店は組合に加盟する県内3社のうちの一つ。当初は発行していなかったが、御菓印を求める菓子ファンらの来店が続いたため、23年11月末に事業に加わった。御菓印は縦約15センチ、横約10センチ。姫路城の絵や「創業元禄」の文字に加え、店を代表する菓子「玉椿」にちなんでツバキの花をモチーフにしたロゴマークなどをあしらった。玉椿は、姫路藩主と将軍の娘との結婚を祝って作られた由緒があるという。

 開始から1カ月余りで、発行枚数は約30枚に上る。山野芳昭社長(39)は「元禄年間(1688年~1704年)から菓子作りを続けてきた歴史を、知ってもらうきっかけになればうれしい」と話す。御菓印は1枚300円、保管用の冊子「御菓印帳」は1冊2750円。(長尾亮太)