季節外れの白い霧が、白亜の天守とれんが造りの洋館を包み込む。強い日差しの中、辺りにひんやりとした空気が満ちる。いっときの涼を求め、子どもらが霧の中に飛び込んでいく。
霧の正体は、アート作品だ。世界的芸術家、中谷芙二子(ふじこ)さんの「霧の彫刻 体・音・光」で、姫路城(姫路市本町)の隣に立つ市立美術館の庭園で随時公開されている。
純水を使い、高圧ポンプと微粒子ノズルで発生させる。休館日以外の毎日午前10時~午後5時、30分おきに数分間噴霧。温度や風向きなどの条件によって毎回、形や濃さは違う。
9月6日からはライトアップも。重厚な和洋の建築物との新たなコラボを見せる。(辰巳直之)
■昭和の大修理中に鯱瓦と並んで
姫路市香寺町中仁野の高田忠義さん(78)
「大天守の上で鯱瓦(しゃちがわら)と並んで撮影しました。昭和の大修理中だった1962(昭和37)年8月、私は高校2年生でした。部活の郷土部の先輩のつてを頼りに、工事技師の方に特別に登らせてもらいました。工事用足場からはしごで屋根へ。とにかく怖くて座るのがやっとでした。大手前通りにあったヤマトヤシキが目の前に見えたように覚えています」
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