プロジェクションマッピングで華やかな映像が投影される姫路城三の丸広場=姫路市本町(撮影・辰巳直之)
プロジェクションマッピングで華やかな映像が投影される姫路城三の丸広場=姫路市本町(撮影・辰巳直之)

 夜の姫路城を彩る光のアート作品イベント「ダンデライオンプロジェクト 姫路城×ネイキッド」が22日、同城三の丸広場(兵庫県姫路市本町)で始まった。地元の小学生らが色付けしたタンポポの絵が芝生に映るプロジェクションマッピングや、城内にあったとされる藤棚に着想を得た立体作品が、幻想的な光景を生み出している。12月11日まで。(真鍋 愛)

 イベントは同城の世界文化遺産登録30年の機運を高めようと、2022年に始まった。今回は戦後80年に合わせて平和をテーマに、二条城(京都市)などで同様のアート作品を手がけるネイキッド(東京)が企画、総合演出を担った。

 広場中央に設置された作品「ダンデライオンプロジェクト」は、タンポポの綿毛を模したオブジェに息を吹きかけると綿毛の映像が地面に広がり、会場の東西に並ぶ木々のライトアップが呼応して揺らめく。芝生には児童らが描いた色とりどりのタンポポが映り、華やいだ雰囲気を演出する。

 藤棚をイメージした「プリズムガーデン」は、ネイキッドの新作。つるされた透明のパーツが照明を受け、紫や青色などに輝く。

 有料レンタルのカラフルなちょうちん(500円)は、足元にタンポポの花や星などの意匠が浮かぶ仕様で、会場に彩りを加える。姫路城を築いた池田輝政の家紋が暗闇で光るイベント限定の御城印(700円)、地酒や地ビール、にゅうめんなどの販売もある。

 プロデューサーの原輝明さんは「ダンデライオンプロジェクトは『分断の時代に綿毛にのせて平和を届けられたら』という思いから生まれた。戦後80年に合わせ、今年だからこそ意味があることをやりたかった」と意義を語った。

 午後5時45分~同9時15分。18歳以上千円。姫路観光コンベンションビューローTEL079・280・8883