西脇市制20周年を記念してトークした長谷川穂積さん(左)とトータス松本さん=オリナスホール
西脇市制20周年を記念してトークした長谷川穂積さん(左)とトータス松本さん=オリナスホール

 ミュージシャンのトータス松本さん(58)=兵庫県旧黒田庄町出身=と、元プロボクサー長谷川穂積さん(44)=兵庫県西脇市出身=によるトーク&ライブが5日、同市下戸田の市民交流施設オリナスホールで開かれた。対談では生まれ育った地元の思い出を披露。観客約600人に笑いを届け、故郷の懐古に浸った。(村上晃宏)

 市制20周年を記念し、同施設が主催。司会はアナウンサーの八木早希さんが務めた。

 長谷川さんはボクシング人生を振り返り講演。小学2年から父と始めた練習が厳しく、一時は嫌いになったが、18歳の時にプロを目指そうと決意した。敗戦からは気持ちを強く持つ大切さを理解し、世界チャンピオンへと練習を重ねた。

 2010年、2階級制覇をかけたWBCフェザー級王座決定戦を前に母が亡くなったが「何が何でも勝つ」との覚悟でリングに上がり、ベルトをつかみ取った。座右の銘「意志道拓」を紹介して「チャンスが来た時に結果をものにできる実力を身に付ける必要がある」と訴えた。

 松本さんは、まちのシンボル「西脇チェック」の播州織りシャツを着て登場。ギターをかき鳴らし、バンド「ウルフルズ」の代表曲「バンザイ~好きでよかった~」など7曲を熱唱した。観客も手拍子をしたり、一緒に口ずさんだりとライブを満喫した。

 3人によるトークでは、市に寄贈したボクシンググローブが盗難に遭ったエピソードを長谷川さんが明かし「播州ラーメンは世界一おいしい」と地元愛も披露。松本さんは、中学時代に市内の楽器店で初めて買ってもらったギターの思い出を通して「黒田庄と西脇の文化に育ててもらった。ふるさとが本当にいとおしい」と目を細めた。