神戸

  • 印刷
復刻された「野球カステラ」
拡大
復刻された「野球カステラ」
昔の焼き型を使い、手焼きする職人=本高砂屋神戸元町本店
拡大
昔の焼き型を使い、手焼きする職人=本高砂屋神戸元町本店

 知る人ぞ知る神戸名物「野球カステラ」を大正初期から焼いていた老舗菓子店「本高砂屋」が、数十年ぶりに復刻した。製造終了後も大切に保管してきた焼き型を使って手焼きする。20日まで神戸元町本店(神戸市中央区元町通3)で限定販売しており、店頭では職人の実演も見学できる。(上杉順子)

 野球カステラは野球道具をかたどった焼き菓子で、およそ1世紀の歴史があるとされる。本高砂屋には、1921(大正10)年に「野球」を商標登録し、同時期に野球カステラを販売したとの記録が残るという。杉田肇社長(67)は「子どものころに食べた。昭和30年代ごろまでは販売していたのではないか」と話す。

 職人の高齢化などから他の菓子店も次第に撤退し、市内で現在扱っている店は10店程度とみられる。

 地元の隠れた魅力発信に取り組むNPO法人「Unknown Kobe(アンノウン コウベ)」は、かねて野球カステラに注目。型が保存されていることを知り、神戸煎餅協会と共に復刻を働き掛け、プロジェクトが動きだした。

 当時のレシピを再現するため、生地の材料や配合を昔の職人から聞き取り。味の記憶がある杉田社長が試食を重ねるなど、数カ月をかけて、今月5日に販売にこぎ着けた。

 店頭では職人が、卵と砂糖、小麦粉、蜂蜜を練った生地を型にはさみ、裏表を返しながら約3分手焼き。味は現代風に少しアレンジしたといい、焼きたてを頬張ると、外側はさっくりとして中はふわふわ、優しい甘みが口に広がる。

 杉田社長は「復刻を機に“元祖”の味を知ってもらえたらうれしい」と話している。

 形は、野球帽▽バット▽ボール▽キャッチャーミット▽グラブ▽インジケーター(審判用具)-の6種。130グラム入り袋432円、260グラム入り袋864円。実演は午前11時ごろから、生地がなくなり次第終了。同店TEL078・331・7367

神戸
神戸の最新
もっと見る
 

天気(9月11日)

  • 30℃
  • ---℃
  • 50%

  • 32℃
  • ---℃
  • 50%

  • 31℃
  • ---℃
  • 60%

  • 31℃
  • ---℃
  • 60%

兵庫県内に 警報 が発令されています

お知らせ