新鮮で栄養たっぷり、神戸市西区押部谷の「推し」野菜はいかが－。地元野菜の魅力を知ってもらおうと、若手農家らがニュータウンの住民向けに始めた野菜セットの宅配「おしベジタブル」が好評だ。

　宅配は２０１２年から開始。口コミや新型コロナウイルス禍による外出自粛もあり、この１年で３０件ほど注文が増えたという。

　古くから農村地域として知られる押部谷。明石川沿いの豊かな土地に、年間降雨量が少なく昼夜の寒暖差が大きい気候は、野菜やコメが甘く育つという。

　おしベジタブルには約２０件の農家が参加。運営代表の農家、山崎高志さん（４０）＝同市西区＝がミニトマトやシイタケなど旬の野菜を毎週厳選し、葉物や根菜の５～８品を自ら運んで届ける。

　保存方法や調理法も助言し、スーパーに足を運ぶのが難しい高齢者や共働きの夫婦らに喜ばれているという。見た目より味を重視し、野菜セットには「おまけ」として形が崩れた規格外品が付くこともある。

　山崎さんは「野菜は鮮度がものをいう。近くに住む若手農家の頑張りを知ってほしい」と話した。

　野菜セットの配達は送料込みで千円。西神ニュータウンは毎週木曜に、西神南ニュータウンは毎週水曜に届ける。配達対象外の地域でも集荷所「おしベジタブルサテライト」（同市西区押部谷町）で直接購入できる。事前予約が必要。（名倉あかり）