JR神戸線元町-神戸駅間の高架下に続く「元町高架通商店街(モトコー)」には、今では珍しい昭和の雰囲気が色濃く漂っている。全長1・1キロ。幅約2メートルの通路の両側に、現在は東端の1番街を中心に約40店舗が軒を連ねる。
並ぶのは服や雑貨、電化製品、飲食物、掘り出し物の数々。通路は狭く、日光が入らない3畳ほどの小さな店ごとに、しゃべったり、寝たり、ふといなくなったりと、自由で個性的な店主がいる。頭上からは電車の走る音。都会の真ん中なのに、まるで秘密基地のようだ。
2018年5月から始まったJR西日本の再整備工事により、店は工事以前の約2割にまで減った。街の姿が変わっていく今、店主たちの言葉からその濃厚な歴史をたどり、現在の姿をつむぐ。
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「生きていくのに精いっぱいの時代。とにかくお金を稼がなきゃ」。2番街に店を構える輸入洋服店「ミスターボンド」が開業したのは、終戦後間もない1947年。3代目店主、岡幸雄さん(37)は当時のことを、祖父で初代の保典さんから聞かされた。戦前に英国系商社に勤めていたつながりを生かし、洋服の輸入販売に目を付けたのが同店の始まりという。
当時、空襲で神戸の街は一面の焼け野原だった。「がれきの上で商売をするわけにもいかない」と、保典さんは雨風をしのげる場所を求め、高架下にたどり着いた。地面に敷いた風呂敷に商品を並べて販売。保典さんのような商売人のほか、住む家をなくした人も多く集っていたという。
やがて店が増え、三宮駅から神戸駅にかけてできた約2キロの闇市は、「三宮自由市場」としてにぎわった。市場の西側の店舗群が、後のモトコーにあたる。
40年代後半のモトコー初期は、「生活必需品から、うちみたいな舶来品まで、思い付く限りの商品がそろっていた」と幸雄さん。扱う品はもちろん、客層もさまざま。米国人やソ連人。同じ日本人でも、その日の食べ物を求める人から高級な舶来品を買う富裕層まで、モトコーの魅力にひかれた人々が入り乱れた。
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現在、JR西が耐震化や防火対策を目的とした再整備を始め、大半の店が明け渡しを終えた3、7番街で工事が進んでいる。最終的には全てのエリアが生まれ変わる予定。JR西によると、明け渡しの同意が得られた店舗は8割以上で、徐々に移転が進み、シャッターが閉まったままの場所も多くなっている。
変わりゆく風景を眺めながら、幸雄さんは「時代と共に売る物は変わるが、雑多で独特な空気は引き継がれている。根っこの部分は変わらない」と腕を組む。高架下の雰囲気を好んだ祖父の保典さんは、亡くなる10年前の2002年ごろまで店頭に立ち、モトコーで商売することにこだわり続けた。店を今後どうするかは未定だが、祖父が育んだモトコーへの思いは孫にしっかり受け継がれ、今も消えない。(森下陽介、小谷千穂)

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