マッチ箱のラベルの愛好家で、木材加工などを手掛ける佐井健太さん(36)=神戸市東灘区=が、箱の耐久性を補い、持ち運びやすくする木製ホルダーを製作した。国産品に使われた象やペンギンなどのレトロなイラストをあしらい、腰に下げたまま点火できる。兵庫県はマッチの国内最大の産地だが、需要が落ち込んでいるといい「再注目してもらうきっかけに」と意気込んでいる。(大橋凜太郎)
日本燐寸(マッチ)工業会(神戸市中央区)によると、日本のマッチは明治期、兵庫県を中心に製造・輸出されるようになり、ラベルも多様なデザインが登場した。しかしライターの普及などで、生産は戦後のピークである1973年から80分の1程度まで減ったという。
自動車部品などの製造会社に勤務した佐井さんは、レーザー加工機の存在を知り、「自分の『作りたい』を手軽に実現できそう」と2020年1月、神戸市中央区の集合住宅内に作業場を設けた。作家らの要望を受けて、額縁などを仕立てている。
佐井さんはマッチのラベルの古いデザインが好きで集めている。魅力を伝えようと、海外のラベルをデザインした組み立て式のマッチ用木箱をカプセルおもちゃとして開発した。1年ほど前から北野工房のまちにある専門店「マッチ棒」(同)で販売している。
ホルダーは縦約6センチ、横約4センチ、高さ約2センチ。「持ち運びしやすければマッチの需要も高まるのでは」とボールチェーンを取り付けた。神戸の街をイメージしたオリジナルデザインも含め6種類で、同店などで扱う。マッチ1箱付きで550円。
マッチの関連製品では、先端の色を変えるおみくじを試作しているほか、ラベルのキーホルダーの販売も考えている。佐井さんは「100年以上変わらないラベルが、時代をまたいでも色あせない。完成されたデザインを後世に残したい」と話している。
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