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「第5波到来」市が警戒 7月神戸の感染状況 下旬から感染者急増

2021/08/08 05:30

 7月の神戸市内の新型コロナウイルス感染状況は、新たな陽性確認が前半は少なく推移していたが、下旬から大きく増加に転じた。政府が示す感染状況ステージの指標も大幅に悪化し、市は「感染『第5波』が到来した」と警戒。一方で、感染者の年代別では60代以上の割合が激減し、逆に20代以下が5割を超えた。全体の死者数も大幅に減少。これらについて市は、高齢者のワクチン接種が進んだ効果とみている。(初鹿野俊)

 7月の新規感染者を1週間単位で比べると、1~7日=79人▽8~14日=105人▽15~21日=174人▽22~28日=316人-と右肩上がりで、4週目は1週目の4倍に達した。

 感染の広がりは、政府の感染状況ステージの指標にも表れた。全7項目のうち、1日時点でステージ3(感染急増)は1項目のみだったが、31日にはステージ4(爆発的感染拡大)が四つ、ステージ3が一つとなった。

 一方で、感染者を年代ごとの割合で示したグラフは6月から一変。両月とも20代が最も大きなウエートを占める傾向は共通していたが、6月に計25%を超えていた60代~90歳以上が、7月には6%まで下がった。逆に若年層の比率は大きく伸び、7月は10歳未満~20代以下で51%と半数を占めた。

 死者数は、6月の38人から2人まで大幅に減った。

 7月に公表されたクラスター(感染者集団)は5件。内訳は、酒類提供の飲食店=1件▽民間事業所=2件▽ライブハウス=1件▽市立中学校=1件-で、従来目立った高齢者が関係するクラスターはなかった。

 市健康局は「ワクチン接種が進んだためだろう」としつつ、「デルタ株の影響もあり、若者を中心に感染が止まっていない。夏で開放的な気分になるだろうが、感染対策は徹底して行動してほしい」と訴える。

 ワクチン接種を巡っては、国からのファイザー製の供給量減少を受け、市は一時約10万人分の予約を取り消し、新規予約も停止していたが、現在は順次再開して接種対象も広げている。

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