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昭和のガラスがお皿に変身 SNSで話題、注文殺到 神戸の老舗、レトロな柄生かし加工

2021/08/21 05:30

 古民家などのリノベーションで使われなくなった「昭和型板ガラス」を再利用し、神戸市長田区の老舗ガラス店が作った皿が話題となっている。窓や建具に再利用するのではなく、半世紀前のレトロな風合いを生かし、気軽に使える日用品に生まれ変わらせた。(坂井萌香)

 製作しているのは、「旭屋ガラス店」(同市長田区二葉町2)の3代目、古館(こやかた)嘉一さん(53)。1927年に創業した祖父が数多く残した板ガラスを何かに使えないかと考えた。昭和型板ガラスは、昭和40年前後に数多く生産され、星形模様が浮かぶ「銀河」や、着物の柄をイメージした「かすり」など、約70種類あるとされている。

 薄さ約2ミリの板ガラスを真円形に切り取り、皿として使えるように熱を加え、型に落とし込む工程が熟練の腕の見せ所。直径12、15、18センチの3種類を時間をかけて手作りしている。透明なガラスだが、角度によって涼しげな緑色に見えることも人気のひとつで、祖父母へのプレゼントに購入する人も多いという。

 約16年前から取り組むが、コロナ禍以降に会員制交流サイト(SNS)で「懐かしい」「祖母の家で見たことがある」などと話題に。月に2~3枚だった注文が徐々に増え、約2千枚になることもあった。古館さんは「作り手の自分でも、きれいやなと思って手掛けている。昔の生活の中にあったものを、今の暮らしの中で使ってもらえているのがうれしい」と話す。

 同店のホームページから購入できるが、現在注文が殺到しており発送までに時間がかかるという。値段は1100円から。「旭屋ガラス店」で検索。

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