■格差減らし公正社会に
「未来を見据え、世界で勝ち抜ける日本をつくるため、素早く決断する政治を進める」。経済競争力低下や少子高齢化に新型コロナウイルス禍がのしかかる“国難”の今、使命を語る。
原点は、親の転勤で幼少期を過ごした米国での経験。理想の大統領などをテーマにした自由な議論に刺激を受けた。神戸市で育ち、東京大やハーバード大大学院へ。留学中は国連の実務も担った。
欧米の投資銀行や海外インフラを開発する商社で国際的なキャリアを積むうち、「海外と渡り合った経験で、政治の停滞を打破したい」と転身を決意。政策は経済や子育てを重視し、「ベンチャー企業を神戸に集めたい」と強調する。教育の完全無償化やIT環境充実も掲げる。
前回衆院選は兵庫4区から無所属で初めて立候補し、涙をのんだ。あれから4年。「格差の広がりは加速度を増す」と危機感を募らせる。
「公正な社会になれば、日本はもっと世界で輝けるはず。その先頭に立ちたい」。2度目の国政挑戦は、国民民主党公認。かつて旧民主党が長年議席を保った同3区で再挑戦する。(佐藤健介)
【メモ】佐藤泰樹(さとう・やすき) 座右の銘は、自己の欲望を抑えて他を利する「敬天愛人」。この精神を社是とする京セラの名誉会長、稲盛和夫氏の著書に学んだ。学生時代には声楽家の指導でオペラを練習し、今もクラシックやポップスなど多彩な分野の音楽に親しむ。好きな映画はスタジオジブリ作品。「環境へのメッセージが和製のタッチで描かれている」ことに感動する。妻と息子2人。
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