神戸大は6日、神戸市灘区の神戸大百年記念館六甲ホールで、来年の創立120周年を記念した「シンダイシンポ2021」を開いた。楽天グループの三木谷浩史会長兼社長が「異分野共創で拓(ひら)く未来」と題して講演し、「技術を組み合わせて新たなものを生み出すには、さまざまな分野を飛び越えて取り組むことが重要」と、大学や企業の連携の必要性を説いた。
三木谷氏は講演で、「現在は100年に一度の社会変革が起きている」との認識を示し、「イノベーションがなければ日本の産業は衰退していく」と危機感を語った。インターネットの普及とともに成長してきた、楽天グループの取り組みや事業も紹介した。
同社はノエビアスタジアム神戸(同市)で、神戸大とも連携し、新型コロナウイルスワクチンの大規模接種会場の運営もしている。遠隔での問診など、効率化も追求。企業内の職場接種と大規模接種で計86・4万回接種しており、三木谷氏は「産官学の共創が実現できた」とした。
三木谷氏と対談した藤澤正人学長は異分野知識の重要性を指摘し、「若い方にはいろいろな学びをして、自由な発想で挑戦してほしい」と呼び掛けた。同市出身の三木谷氏は「神戸は特別な土地。異文化もあって非常に可能性があると思うので、新しい流れをつくっていただけると期待している」と話した。(高田康夫)