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新型コロナウイルスの収束や被災地支援への思いが込められた写経がたきあげられた法要=須磨寺
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新型コロナウイルスの収束や被災地支援への思いが込められた写経がたきあげられた法要=須磨寺

 須磨寺(神戸市須磨区須磨寺町4)が15日、新型コロナウイルス感染症の収束や被災地の復興への祈りが込められた写経約1万巻をおたきあげした。その半数近くは、写経の奉納料を被災地支援にまわす「祈りの写経プロジェクト」を通じて全国から寄せられたもので、読経と共に火の中に投じられた。(大橋凜太郎)

 写経を募る取り組みは、2020年4月、同寺寺務長の小池陽人さん(35)が企画した。新型コロナウイルス感染症の拡大で緊急事態宣言が発令されたことを受け、「心がすさみがちな時こそ、写経で安らぐ時間を」とホームページで写経用紙を公開。自身のユーチューブチャンネルで発信したところ、約2カ月で4646巻が寄せられた。

 コロナ収束の兆しが見えない中、同年7月には熊本県などで豪雨災害が発生した。「何かできることはないか」と思いを巡らせていたところ、長野の僧侶が「日本笑顔プロジェクト」として災害支援を続けていることに着想。同月「祈りの写経プロジェクト」を発案した。写経の奉納料を日本笑顔プロジェクトに義援金として送り、参加者には特別な御朱印を授与する仕組みを整えた。

 阪神・淡路大震災で被災した神戸市内の3寺院にも輪を広げた。今月上旬までの1年半で、コロナの収束祈願の写経と併せて1万巻以上が寄せられ、集まった支援金は計約330万円に上った。写経の願意を書き込む欄には、災害復興への願いをはじめ、コロナで亡くなった身内の供養や、感染した人の無事を祈る内容がつづられていたという。

 この日の法要では、ほら貝の音をとどろかせて5人の僧侶が境内に登場。読経を響かせながら火の中に次々と写経を投じた。小池さんは「コロナ収束と、被災者の心の安寧を一心にお祈りした」と話していた。祈りの写経プロジェクトは、息の長い支援策として、今後も続けるという。

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