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大正筋商店街で踊るダンサー=神戸市長田区
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大正筋商店街で踊るダンサー=神戸市長田区
7期生とダンス作品をつくる森山未来さん=2021年11月、神戸市長田区久保町6、アートシアターdB神戸
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7期生とダンス作品をつくる森山未来さん=2021年11月、神戸市長田区久保町6、アートシアターdB神戸

 ダンスの道を志して全国から神戸へ集まった若者6人が1月下旬、神戸市長田区の大正筋商店街などで、同市出身の俳優・ダンサー、森山未来さんの作品を踊った。「土地のエネルギーを取り込みながら動きを起こす」というイメージの作品を再構成。ダンサーたちは長田の山や川、岬を念頭に、自然の循環の中にある命を表現していた。(吉田敦史)

 6人は、NPO法人ダンスボックス(同市長田区)による「国内ダンス留学@神戸」の第7期「留学生」だ。昨年7月から長田区に8カ月間滞在し、ダンサーや振付家としての力を養う。垣尾優さん、井手茂太さん、そして森山さんと名だたるアーティストのもとで腕を磨き、3月にそれぞれソロ作品を発表する。

 森山さんは2010年12月、ダンスボックス主催の公演で踊っている。11年ぶりの協働に「いつかまたダンスボックスで仕事がしたいと思っていた」と語る。

 今回は、森山さんが昨年3月11日に京都・清水寺で発表した「Re:Incarnation(リ・インカネーション、輪廻(りんね)転生の意)」を基にした。野ざらしにされた死体が朽ちていくさまを描いた仏教絵画「九相図」に想を得た作品で、「人間の体がその土地にいかに還元され、次に何が立ち上がっていくのか」を表現した。

 「長田版」を制作するにあたって、森山さんは地元の文献を読みあさり、7期生たちと長田の山や川、岬に足を運んだ。ダンサーがそれぞれの場所で感じたエネルギーや、生まれた言葉から、動きを練り上げた。

 公演の前半は大正筋商店街のアーケード下を苅藻川に見立て、頭巾付きの黒い羽織を着た6人が、高取山や天神山、長田神社などで着想した動きを舞った。後半は劇場「アートシアターdB神戸」に移動し、複合的なダンスで壮大な死生観を観客に伝えた。

 ダンサーの一人、川崎萌々子さん(23)=奈良県生駒市=は「未来さんは私たちに対等に真剣に向き合ってくれた。未来さんから学んだ最後まで妥協しない姿勢を、自分の作品づくりに生かしたい」と振り返った。6人は3月12、13日、同劇場でソロ作品を上演する。ダンスボックスTEL078・646・7044

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