神戸市北区有野町唐櫃の兵庫県道神戸三田線(有馬街道)に新設された有馬口トンネルで20日、完成を記念する式典があった。30日の開通を前に周辺住民約350人がトンネル内を歩いて見学し、近隣の渋滞解消などに期待を寄せた。
神戸市兵庫区と同県三田市をつなぐ幹線道路で、唐櫃地域の山裾と川に挟まれた区間は道幅が狭く、渋滞が常態化していた。大雨時は通行が規制され、安全確保の必要性も言われていた。
神戸市は2006年度から周辺の道路の拡張と、長さ640メートルのトンネルを含む約1キロのバイパス整備に着手した。交通量を分散し、災害時の緊急輸送道路の機能を向上させる。
式典には行政や工事の関係者らが出席し、久元喜造市長は「通行がスムーズになり、安全性が格段に高まる」とあいさつした。
地元住民は、工事過程を紹介するパネルや映像を見ながら、真新しいトンネルの内部を散策した。
唐櫃台自治連合協議会の植田里美会長(47)は「渋滞がひどく、歩行者や自転車が通るのを見てひやひやする状態だった。地元として安全な道になるよう待ちわびていた」と話した。(大田将之)