25日に神戸市中央区の東遊園地に開館する「こども本の森 神戸」の内覧会が22日あり、遊び心あふれる内装が初披露された。建築家安藤忠雄さんが手掛けた子どものための図書館で、神戸市に寄贈した。吹き抜け構造の壁一面を書架に、市民や企業から寄せられたり、購入したりした約1万5千冊が美しく並ぶ。
同図書館は、1995年の阪神・淡路大震災の復興事業に携わり、神戸に強い思い入れがある安藤さんが市に提案して実現。震災の記憶の継承に取り組んできた俳優の竹下景子さんが名誉館長に就く。市民や企業などから約2万冊が寄贈され、集まった1億5千万円超の寄付金で運営する。
蔵書は「いのちの森」「おはなしの森」など15テーマごとに分類。高さ9メートルの吹き抜けの壁面を絵本や児童文学書、図鑑などが埋め尽くす。興味を引きやすいよう、本は表紙を見せて置かれている。
休憩室に丸い天窓があるほか、書架にはゲートを設け、好奇心をくすぐる仕掛けがちりばめられている。幼い子どもが安全に楽しめる「あかちゃんの森」コーナーも。同館コミュニティマネージャーの中塚このみさん(31)は「きれいな建築と自然の中、宝探しのように特別な一冊に出合ってほしい」と話した。
本を借りることはできないが、ウッドデッキや東遊園地内に持ち出して読むことはできる。市民以外も利用可。無料。午前9時半~午後5時。月曜休館。予約(抽選)が必要。100人ずつの利用で90分制。現在は5月上旬の予約を受け付け中。申し込みは同館の公式サイトから。(貝原加奈)