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王子公園再整備、大学誘致「これ以上必要ない」「もっと市民と対話を」見直し求める声相次ぐ 神戸

2022/03/27 18:25

 神戸市が示した灘区の王子公園の再整備方針を巡り、地域の住民らが意見を交わす市民ミーティングが27日、灘区王子町3の動物園ホールで開かれた。大学の誘致などを盛り込んだ内容や市の姿勢に対し、参加した約100人から「大学は必要ない」「もっと市民と対話してほしい」と見直しを求める意見が相次いだ。(竜門和諒)

 市は昨年12月、遊園地やテニスコートなどを廃止し、大学の誘致や立体駐車場の建設を図る素案を公表した。地元を中心に、市民の声を聞いて反映するように求める署名活動が始まり、今月22日には約3万人分の署名が市に提出され、市は素案を見直している。

 市民ミーティングは、住民らでつくる実行委員会が主催し、2回目。最初に実行委のスタッフらが、市の再整備素案や市に寄せられたパブリックコメント(意見公募)を紹介。参加者は13グループに分かれて意見を交わした。

 市が検討する大学の誘致に対しては、「少子化時代にこれ以上の大学は必要ない」「学生が住んでくれるのは4年だけで人口減対策にはならない」などと否定的な声が多かった。また、「私たちの大事な今の公園を守りたい。市民への説明が不十分なまま計画が進められている」などと市の情報提供への不信感も寄せられた。

 一方で、ミーティングの参加が高齢者に偏り、動物園の利用で中心となる子育て世代の意見が少ないという指摘もあった。

 近くに住む女性(67)は「市民の声を聞いてもらえず、悔しい。王子動物園を優先した整備を考えてほしい」。実行委事務局長の金丸正樹さん(65)は「たくさん出た意見の中には反対だけでなく、新しいアイデアも含まれていた。行政には意見を聞き入れる姿勢を持ってほしい」と話していた。

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