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「FMわぃわぃ」の番組で、奄美・沖縄地方の文化や島唄を紹介する大橋愛由等さん=神戸市長田区海運町3、たかとりコミュニティセンター
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「FMわぃわぃ」の番組で、奄美・沖縄地方の文化や島唄を紹介する大橋愛由等さん=神戸市長田区海運町3、たかとりコミュニティセンター

 奄美群島や沖縄をテーマにした書籍を長年、出版する。神戸とゆかりが深い奄美の人たちとの付き合いも多く、「関西人以上に人なつっこくて気質が合う」と笑う。

 神戸市出身。奄美に血縁や直接の関わりはなかったが、職を求めて大阪や神戸に移り住んだアマンチュ(奄美の人)の友人が多かった。就職した大阪の出版社が奄美関係を専門にしていたため、編集者として「奄美の文化人や思想家に出会い、その人柄や独特の着眼点に引き込まれた」と振り返る。

 1990年に独立し、出版社「まろうど社」を神戸市東灘区に設立。詩人の顔も持ち、その活動は幅広い。

 奄美群島は、琉球王国による統治(15~16世紀)や、第2次世界大戦後の米軍占領など、歴史に翻弄(ほんろう)されてきた。「本土にない素晴らしい島唄文化が残っているにも関わらず、本土復帰後は奄美に対する差別が根強かった。出自を隠そうとする若者も多かっただろう」と語る。

 奄美との結びつきがさらに深くなったきっかけは、阪神・淡路大震災の被災経験だ。

 「せっかく助かった命だから、やりたいことを続けよう」と決意。震災直後に長田区で設立されたコミュニティー放送局「FMわぃわぃ」(現在はインターネットラジオ局)で96年から、奄美・沖縄の専門番組「南の風」を始めた。ゲストを迎えて島唄や風習、歴史を紹介し、放送は400回を超えた。今でも年1回は必ず奄美を訪ね、地元紙には長年コラムを寄稿する。

 「シマの文化は密度が高く、知れば知るほど奥が深い。神戸から見える奄美・沖縄の発信者であり続けたい」

(久保田麻依子)

【2020年3月8日掲載】

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