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150年前に名前が付いた明石町筋は道路の東西ともに建物の住所は「明石町」だ=神戸市中央区明石町
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150年前に名前が付いた明石町筋は道路の東西ともに建物の住所は「明石町」だ=神戸市中央区明石町
日本の縮図のように道の名前が付いている旧居留地の地図(「国土地理院ウェブサイト」より。青線は筆者が加筆)
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日本の縮図のように道の名前が付いている旧居留地の地図(「国土地理院ウェブサイト」より。青線は筆者が加筆)

 美しい街並みに溶け込むかのようにおしゃれな店が並ぶ旧居留地。神戸の中でも人気のスポットだ。

 元町や三宮からすぐとあってよく足を運ぶが、神戸大学名誉教授でNPO法人「神戸外国人居留地研究会」理事長の神木哲男さんと改めて歩いてみた。

 神木さんにもらった道路名などを記した居留地時代の図面を広げる。碁盤の目のように道が縦横に走り、当時から整然と区画されていたことが分かる。

 19世紀半ば。当時、都は京都にあったため、メインストリートは京町筋と名付けられたとか。ここは日本で初めて(馬)車道と歩道が分けられた由緒ある道。確かに今でも道幅は広い。

 「当時から道の名前や町割りはほぼ変わっていません。横浜や長崎にも居留地はありましたが、保存状態の良さは神戸が一番」

 よく見ると、京町の東に江戸町、西には浪花(なにわ)町、播磨町、明石町の名がある。京都を中心とし、日本の縮図のように東西に道の名前が付けられた。伊藤町は、当時の外交責任者だった伊藤博文(俊輔)の名を冠しているらしい。

 さらに興味深いのは住所表示だ。欧米人が住み始めた頃は「居留地○番地」と呼んでいたが、やがて道の名前を基に住所が決まり、それが今も受け継がれている。これも欧米の影響が大きいという。

 例えば、明石町筋の西にある大丸神戸店は「明石町40番地」だが、道の東にあるルイ・ヴィトン神戸店も同じ「明石町」の44番地。日本は大きな道路を隔てると町名が変わることが多いが、西洋では道路名がまず決まり、それを基に道路沿いの住宅や店に住所が付くのが一般的だという。

 「欧米ではほとんどの道路に行政上の区分とは別に名前が付いています。そして、その道路沿いの人はみんなご近所さんという意識が強いんですよ」

 約150年前に付けられた道路の名が残り、現役の住所地になっている旧居留地。まだまだ好奇心をかき立てられる。(安福直剛)

=随時掲載=

    ◇

 150万都市の神戸。見慣れ、住み慣れた気がするけれど、まだまだ知らないことはたくさんありそう。晴れた日、記者がぶらっと歩いて再発見した街の魅力をリポートします。

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