退職を前に、阪神・淡路大震災の経験を後輩に語る三中基弘さん=長田署
退職を前に、阪神・淡路大震災の経験を後輩に語る三中基弘さん=長田署

 30年前の阪神・淡路大震災で、兵庫県警西宮署の巡査部長だった三中(みなか)基弘さん(60)は、警察学校時代の同僚を失った。同年代の身近な人が、突然いなくなる。人の生死に接する警察官として、分かってはいたつもりだったが、突きつけられた現実に「死への感覚が変わった」という。(長沢伸一)

■2人の顔を思い浮かべると、今でも涙が

 1995年1月17日未明、三中さんは西宮署2階の仮眠室にいた。警察官になって8年目、留置施設で勤務していた。

 午前2時ごろ、2段ベッドの上段に入る。突然、強い光を感じた。目を開けるとまぶしい。揺れが来た。鉄格子のベッドがガタンガタンと音を立て、こらえきれずに振り落とされた。