兵庫県三木市吉川町豊岡の美容室「ｉｌｏｕ（イロウ）」が吉川産の天然ヨモギオイルの製作に取り組んでいる。「地域にある物に価値を加えて新たに発信したい」と開発に挑戦。ネットや店頭での一般販売は、２月中旬以降だが、クラウドファンディングを活用した先行販売を実施し「生活の中にヨモギを感じてもらいたい」とアピールする。（篠原拓真）

　開発は昨年４月に始めた。ヨモギオイルは、同店ハーバリストの原田美由紀さん（３５）が作り、同町内の山奥に自生するヨモギを手摘みで採取する。

　セサミオイルにヨモギを入れて抽出するが「油温が高いと肌への刺激が強くなる。一定温度で管理が必要」と原田さん。自然のヨモギは品質が一定ではなく、気の抜けない作業が続く。

　「ヨモギは冬になるとあくが強くなり、春は色鮮やかになる。人間も同じように季節によって体調が変わるが、収穫してすぐ商品にするため、その時に最適なヨモギオイルを提供できる」と話す。ただ、わずかに防腐剤を使っており、「香りや効能をできるだけ失わずに、安全に届けることが最善と考えた」と話す。

　スキンケアや髪のトリートメント、マッサージ－。オイルは全身で使え、保湿効果や血流促進が期待できるという。原田さんは「寝る前に足先に塗ると温まる」と経験を紹介し、「懐かしい香りは心落ち着く時間を作るはず。老若男女に使ってほしい」とほほ笑む。

　プロデュースなどを担う美容師の上北宗平さん（３６）は、お茶や化粧水といった次作案を披露し「多くの人と協力しながらメイドイン吉川というブランドで、第２、３弾と発信していきたい」と話した。クラウドファンディングは美容室のホームページから。ｉｌｏｕＴＥＬ０７９４・６０・９５７７（金・土・日のみ）