赤く熱したくぎをペーパーナイフへ加工する子ども=かじやの里メッセみき
赤く熱したくぎをペーパーナイフへ加工する子ども=かじやの里メッセみき

 兵庫県三木市特産の金物を使ったものづくりを楽しむイベント「三木金物博覧会第12回鍛冶でっせ!」(神戸新聞社など後援)が4日、同市福井のかじやの里メッセみきで最終日を迎えた。こてを駆使してタイルの壁飾りを作る体験や、鍛冶屋になった気分でオリジナルのペーパーナイフを制作する催しなどがあり、訪れた家族連れらでにぎわった。(小野萌海)

 三木金物商工協同組合連合会が、特産の金物の魅力を伝えようと4年ぶりに開催。同組合から33社が参加し、3日から2日間の日程で、展示販売やワークショップを行った。開場前に行列ができる人気ぶりで、初日は約千人が訪れた。

 子どもたちがペーパーナイフ作りに挑戦する「鍛冶屋体験」では、くぎを炉に入れて熱し、金づちでたたいて伸ばす工程を繰り返した。続いて加熱したくぎを水に入れて急速に冷やす焼き入れを行い、最後に砥石で研いで刃を整えた。姫路市から訪れた小学3年の男児(8)は「くぎを熱するときは顔が熱くて、たたくと真っすぐになっていくのが面白かった。出来は100点満点」と大事そうに完成品を眺めた。

 鉋で木材を薄く削る技術を競う大会も開かれ、13チーム50人の大工が参加。極限まで薄い「削り華」を出そうと、参加者は真剣なまなざしで鉋の刃や土台部分を金づちでたたき、刃の出具合を細かく調整した。厚みの測定では、「5ミクロン」など極小の数字が並んだ。

 大工歴40年の徳田辰也さん(58)は「普段はどれだけきれいに木材を削るかが仕事だが、ここでは腕前が数字に表れる。鉋自慢をする場ですね」と笑いながら試行錯誤していた。