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雨にぬれ、境内の緑が深まる=三木市細川町垂穂、御酒神社
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雨にぬれ、境内の緑が深まる=三木市細川町垂穂、御酒神社
静かな森に囲まれる鳥居と社殿=三木市細川町垂穂、御酒神社
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静かな森に囲まれる鳥居と社殿=三木市細川町垂穂、御酒神社

 かつて京都で宗教新聞の記者をしていた。夏になると思い起こすのは、緑に囲まれた厳かな境内。取材の合間、木陰で体を休めた記憶が頭をよぎる。

 早朝、兵庫県三木市細川町垂穂にある「御酒(みさか)神社」に向かった。脇の参道から境内へ。長い年月をかけて育ってきた木々は、甘い緑の香りを漂わせる。近くからウグイスのさえずりも聞こえてくる。朝のさわやかな涼感と、神社に漂う厳粛な霊感。仕事ばかりで乱れがちな心身が引き締まる。

 境内にはひときわ存在感を放つ巨岩がそびえる。6メートルはあろうかという大きさ。上部は緑色のコケに覆われ、古くからの信仰の歴史を感じさせる。

 巨岩を見上げ、物思いにふけっていると、突然、雨にたたられた。自らの運の悪さを嘆きつつ、木陰で雨宿りをしながら境内を見渡す。雨が煙り、そばの社殿がかすむ。巨岩のコケは次第に深緑に染まる。一瞬にして境内が表情を変えた。

 雨が降ったおかげでお目にかかれた幻想的な光景。むしろ、私は幸運だった。(長沢伸一)

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 終息の見えない新型コロナウイルス禍に加え、今年は猛暑。時には人けのない場所でマスクを外して深呼吸してみませんか。北播磨の清涼スポットを記者が巡ります。

【メモ】御酒神社(三木市細川町垂穂)は、県道355号沿いにある。古代から続く伝承が残り、地域に疫病が流行した際、岩の下から出てきた白鹿を神前に供えると、病が治まったという。大型複合リゾート施設「ネスタリゾート神戸」は車で10分程度の距離。

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(2)つくばねの滝(加東市)
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