神戸新聞社は、結婚50年の節目を迎えるご夫婦をお祝いする「金婚夫婦祝福式典」を兵庫県内の8会場で開きます。今年は1977(昭和52)年に婚姻届を出されたり、挙式されたりしたご夫婦が対象で、2018組の申し込みがありました。その中から3組に支え合った半世紀の歩みを振り返っていただきました。

■森和重さん(74)、桂子さん(72)=淡路市尾崎
 趣味が共通、海外旅行も満喫

苦楽を共に歩んできた日々を懐かしむ森和重さんと桂子さん=淡路市尾崎

 「支え合いながら乗り切った、あっという間の50年でした」。和重さんは三原町(現南あわじ市)、桂子さんは一宮町(現淡路市)出身で、それぞれ島外へ進学。同じ年に故郷で小学校教諭となった。

 研修会や若手教諭の勉強会で顔を合わせるうち、ひかれ合うように。お互いの印象は、桂子さんが「人当たりが良く、聞き上手」(和重さん)で、和重さんは「知識が豊富できちょうめん」(桂子さん)。京都などでデートを重ね、1977年2月、淡路市の伊弉諾(いざなぎ)神宮で結婚式を挙げた。

 和重さんは校長を務めた後、淡路市教育委員会で小学校の統廃合や予算編成などを任された。心労で痩せていく姿を見て、桂子さんは食事などの健康管理に気を配った。和重さんも「現場で板挟みにならないか」と桂子さんを思いやった。

 内助の功で重責を果たした和重さんは、教育長や副市長を歴任。退職後はガーデニングやトールペイントなど、共通の趣味を満喫する。和歌と大和絵が融合した「歌絵」には10年前から取り組み、これまでに百人一首や源氏物語など5シリーズを創作。作品展の開催も重ねている。

 旅行に出かけるゆとりもでき、昨年は欧州を2度訪れた。「趣味が合って良かった。今は次の旅先を考えるのが楽しみ」とほほ笑んだ。(内田世紀)

好きな旅行でフランスを訪れた2人=2009年(森さん提供)

■亀野喜教さん(78)、祐子さん(72)=加古川市加古川町溝之口
 程よい距離感、仲むつまじく

「適度な距離と無理をしないことが円満の秘けつ」と話す亀野喜教さん、祐子さん夫婦=加古川市加古川町溝之口

 娘2人は結婚して独立し、孫が5人。一番上の孫は3月に20歳を迎えた。夫婦で旅行を重ね、国内は全県制覇するなど仲むつまじい。

 喜教さんは1966年、祐子さんは72年、神戸税関に入職。先輩後輩の関係が変わるきっかけは74年の喜教さんの東京(旧大蔵省)出向だ。文通や電話を通じ、互いに気持ちを寄せるように。休日は兵庫と東京の中間にある名古屋で待ち合わせ、デートを重ねた。

 思いを伝えられずにいたが、祐子さんが動いた。「結婚を前提にお付き合いをしませんか」と手紙を送ると、喜教さんが「ちょっと話をしよう」と慌てて戻った。互いの親と顔合わせをし、結婚の日取りを決め…。とんとん拍子で進んだ。「考えたらプロポーズはなかったかも」と2人。

 東京で第一子をもうけたが、喜教さんは激務に追われ、家事や育児は祐子さんのワンオペ。祐子さんは2人目を考え、「母の助けがないと無理」と明かした。喜教さんは異動希望を出し、80年に帰郷。加古川にマイホームを建てた。

 喜教さんは64歳で定年退職。2年前まで働き続けた。現在は障害者支援のボランティアだ。祐子さんは音楽教室でピアノ講師を務め、今は町内会やママさんコーラスで伴奏をこなす。「互いが好きなことをする、程よい距離感が大事」と笑顔を交わした。(増井哲夫)

亀野喜教さんと祐子さんの結婚写真=1977年(亀野さん提供)

■中島保さん(77)、さと子さん(74)=姫路市古二階町
 ともに乗り越え、互いに尊敬

互いの違いを尊重し合い、ともに歩んできた中島保さんとさと子さん=姫路市古二階町

 出会いは病室だった。姫路市で小学校教諭をしていた保さんは、児童に鉄棒の大技を見せた際、着地失敗で大けがをして国立姫路病院(現姫路医療センター)に入院した。看護師として勤務していたさと子さんは、洗髪など身の回りの世話を担っていた。

 朗らかな性格の保さんが他の看護師と談笑する一方で、さと子さんは黙々と仕事をしていた。「いっぺん話してみたいな」。実直な性格が気になり、1カ月後に退院した保さんは病棟に電話をかけた。姫路城周辺での初デートを実現させ、結ばれた。

 結婚から10年ほど後に家を購入し、子ども3人と保さんの両親や弟の計8人で暮らした。さと子さんは看護師のパートをしながら、子育てと介護をこなした。保さんは教師を続け、御国野小学校で校長を務め、60歳で定年退職した。

 保さんはその後、タレントに転身し、エキストラなどでテレビに多く出演。俳句や料理、日本画、パソコンなどの教室にも通い始めた。奔放にチャレンジを続ける夫の横で、さと子さんは「目立つのが好きやから」と困ったように笑う。

 「この人がいなかったら動けない。土台のような存在」と保さん。正反対にも見える2人だが、50年をともに乗り越え、互いを尊敬し合う姿はよく似ていた。(小谷千穂)

新婚の頃に沖縄を旅した夫妻=1978年(中島さん提供)

1977年を振り返る動画はこちら