上野台中学校と八景中学校を統合し、新設される中学校の整備予定地=三田市川除
上野台中学校と八景中学校を統合し、新設される中学校の整備予定地=三田市川除

 三田市教育委員会は、上野台中学校(志手原)と八景中学校(八景町)の再編統合計画で、新設校の整備予定地を、農産物直売所「パスカルさんだ一番館」(川除)西側の農地に決めたと発表した。最短で2031年度の開校を目指す。22日には地元住民を対象に説明会を開いた。(橋本 薫)

 少子化に伴い、市教委は18年、望ましい中学校規模を9~18(各学年3~6)学級とする方針を策定。現在各学年1クラスの上野台中を八景中と統合し、八景中学校区内に新設する案を提示した。保護者や地域の代表らによる「地域協議会」が議論を重ね、21年、行政案への賛成をまとめた。新設校は両校の中間付近とすることや、通学手段の確保など留意事項も求めた。

 予定地は上野台中から直線距離で南西へ約3キロ、八景中から北西へ約2・2キロ。農地やソーラーパネル、駐車場がある約3・2ヘクタールで、市内公立中の平均的な面積という。周辺道路は広く、歩道が整備されている。通学は上野台中の生徒がスクールバスを検討しており、八景中の生徒は徒歩か自転車を基本とする。

 新設校舎は3階建てで体育館とともに敷地の東側に建設し、グラウンドやテニスコートなどを西側に整備するイメージという。予定地は道路より低い位置にあり、災害時に浸水想定区域となっているが、かさ上げして対応する。

 通常学級数は今年5月時点で上野台中が計3、八景中が計15。三田駅前再開発によるマンション建設などもあり、統合後は18学級前後での推移を見込む。

 今後は保護者らへのアンケートなどを踏まえ、25年度に施設の配置や教室の大きさなどを定めた基本計画を策定する。地権者らとの協議も進め、用地取得後の造成と建築工事に4~5年かかるという。保護者らでつくる「統合準備会」を設置し、学校名などの議論を予定する。

 学校教育部の外岡明文担当部長は「少子化が進み、先行きが不透明な時代を迎えている。両校に歴史や積み重ねてきた文化があるので、良いところを引き継ぎたい」と話している。

 住民説明会は市総合福祉保健センター(川除)であり、33人が参加。通学によって起きうる交通渋滞の緩和策や、近年の集中豪雨を念頭にかさ上げの徹底を求める意見などが出た。