「空家活用特区」の坂越大道に飲食店兼設計事務所「TORO」をオープンさせた坂田文香さん=赤穂市坂越
「空家活用特区」の坂越大道に飲食店兼設計事務所「TORO」をオープンさせた坂田文香さん=赤穂市坂越

 昨年3月に県の「空家(あきや)活用特区」に指定された赤穂市坂越地区で、建物の用途変更を許可された第1例目の施設が今年3月にオープンした。金物店を改修した飲食店兼設計事務所の「TORO(トロ)」。広場や遊歩道をデザインするランドスケープデザイナー坂田文香さん(35)と、夫で1級建築士の旭(あきら)さん(39)が横浜から移住して営む。今後は古民家改修の「先輩」として、希望者の相談にも乗りたいという。(小谷千穂)

 全国的に空き家が問題となる中、県は2022年4月に空き家活用につながる規制緩和を盛り込んだ条例を全国で初めて施行し、特区制度を導入した。市街化調整区域での住宅の建て替えや飲食店などへの用途変更を認めるほか、改修への補助制度も用意する。

 坂越地区は、西脇市嶋地区とともに県内で初めて指定された。江戸から明治期にかけて港町として栄え、今も歴史的なまち並みが残るエリアだが、市街化調整区域にあり放置された空き家が70戸以上ある。