推薦産業遺産に選ばれた波賀森林鉄道を復活させた住民グループのメンバー=フォレストステーション波賀
推薦産業遺産に選ばれた波賀森林鉄道を復活させた住民グループのメンバー=フォレストステーション波賀

 日本の発展に貢献したとして、産業遺産学会(東京)が認定する「推薦産業遺産」に、播磨地域を支えた鉄道の関連史料2件が選ばれた。昭和期に姫路市内を走った「姫路モノレール」の車両や橋脚の設計図と、大正-昭和期に宍粟市内で活躍した「波賀森林鉄道」のレールや橋脚で、往時をしのばせる遺構などが今も残り、地元で継承されていることが評価された。(村上晃宏、真鍋 愛)

■波賀森林鉄道 国有林運んだ林鉄の遺構、住民グループが復活

 波賀森林鉄道(林鉄)は1916(大正5)年から建設が始まった。大阪営林局(現林野庁近畿中国森林管理局)が運営し、赤西渓谷などから波賀町中心部までスギやヒノキを運ぶために使われた。複数の路線が整備され、昭和30年代初めには総延長40キロ以上に達し、最盛期は同営林局の「ドル箱」と呼ばれた。