マックスバリュの移動スーパーで買い物をする住民ら=宍粟市千種町西河内
マックスバリュの移動スーパーで買い物をする住民ら=宍粟市千種町西河内

 人口減少によって店舗の経営が成り立ちにくくなった地域で、移動スーパーや宅配など、商品を消費者の元に届ける事業が広がっている。生活を支えるライフラインとして地域から求められるようになった経緯や、人口減少地域で事業を続けるための経営努力に迫った。(長尾亮太)

■マックスバリュの移動スーパー 延べ19万人超が利用

 「ふっふっふーな生活 マックスバリュー♪」。スピーカーから歌を流しながら、軽トラックが宍粟市千種町の山あいの集落を走る。停車すると、歌を聞いた住民たちが集まってきた。

 トラックの両サイドと後部の扉が開くと、多彩な商品が所狭しと並んでいる。パンや菓子、野菜、作りたての総菜、新鮮な肉や魚などの冷蔵商品、生活雑貨…。車に積まれた商品は約400品目に上る。

 見やすいように、商品の入ったかごをスタッフが車両の棚や周辺に並べると、住民たちはじっくりと品定めしていた。