神崎小学校に「宇宙兄弟」全巻を寄付した「かつおクラブ」代表の足立雅樹さん(最後列左)と会員の藤原浩一さん(同右)=神河町粟賀町
神崎小学校に「宇宙兄弟」全巻を寄付した「かつおクラブ」代表の足立雅樹さん(最後列左)と会員の藤原浩一さん(同右)=神河町粟賀町

 人気漫画「宇宙兄弟」全巻が、神崎小学校(兵庫県神河町粟賀町)に贈られた。愛知県小牧市の会社社長、足立雅樹さん(40)が立ち上げた「かつおクラブ」というコミュニティーがプレゼントした。神河町の会社員、藤原浩一さん(62)が同クラブの会員になった縁で実現したという。足立さんは同小を訪れ、児童に「夢を語れて、人の夢を応援できる人になって」とエールを送った。(喜田美咲)

 「かつおクラブ」は2022年に発足した。会費で集めたお金を全額用いて、必要な場所に寄付をしている。投稿サイト「note(ノート)」の会員機能を使い、会員に月100円以上の会費を払ってもらい、集まった全額を活用している。「かつお」は、足立さんがかつて飼っていたウサギの名前から取った。

 足立さんは幼いころから「人を助けられる人になりたい」との思いがあったという。1人で毎月多額の寄付をすることはできなくても「多くの人が1人100円ずつ出し合って誰かを応援できれば、みんなで喜びも分かち合える」と、この仕組みを考えた。これまで被災地支援に充てたほか、障害者施設にピアノを届けたり、足立さんが訪れたカンボジアの農村に毎月5千円を送ったりしている。

 「宇宙兄弟」は小山宙哉さんの作品で、幼少期に宇宙飛行士になると誓い合った兄弟が、壁にぶつかりながら夢に向かって歩む姿を描いている。同クラブは昨年、全巻を全国の学校や図書館などに贈るプロジェクトを始めた。「自分や他人の夢をばかにせず、応援に喜びを感じられる大人になるためのヒントが詰まっている」という会員からの提案がきっかけとなった。

 宇宙やロケットが好きだという藤原さんは今年3月、民間ロケット「カイロス」の発射場(和歌山県串本町)を見学するツアーに参加した。そこで足立さんと知り合い、活動に共感して会員になった。その後、宇宙兄弟の寄付先を募る案内が会員にあり、神崎小の岸原史明校長の快諾を得て、同小への寄付を提案した。

 今月7日、足立さんと藤原さんが同小を訪れた。足立さんは宇宙兄弟について「悩んだり、迷ったりしたときにたくさん勇気をもらえた」と話し、図書委員の6年生5人に本を手渡した。

 「クラブを知り、世界が明るくなると感じた。子どもたちの夢が広がりますように」と藤原さん。図書委員長の男児(11)は「藤原さんや足立さんの思いを知ることができてよかった。今は国を守る自衛隊員になるのが夢。友達の個性ある夢も否定せず、応援したい」と話した。