岡本圭司生活安全部長
岡本圭司生活安全部長

 明石市の木造住宅2階で揺れを感じ、飛び起きた。南向きの窓越しに、稲光のようなものが見える。1階に駆け下り「お母さん、大丈夫か」と叫んだ。ラジオをつけると「JR脱線」の情報が流れてきた-。

 阪神・淡路大震災を思い返したとき、まっ先に浮かぶのが発生直後の記憶という。警察官としてではなく、実家暮らしの28歳、一市民としての経験だ。

 当時、警務課採用担当の巡査部長。昼前、神戸市中央区中山手通にあった生田庁舎に着くと、災害対策本部の一員に組み込まれ、無線の記録係となった。