超高齢社会が進むなか、高齢者でつくる「老人クラブ」が苦戦している。全国的に団体数や会員数は減り続け、姫路市ではこの十数年で約4割も減少。いったい何が起きているのか。子どもの見守りや公共施設の管理、世代間交流などの活動を担っており、各地で存続に向けた動きも出ている。(井上 駿)
「見栄えがようなったなぁ」。6月上旬、同市豊富町にある明治・大正期に播磨と但馬を結んだ日本遺産「銀の馬車道」沿いの花壇。地元の太尾老人クラブの役員がマリーゴールドなどを植え、汗を流した。
同クラブの会員は約200人。年2回の花壇の植え替えに加え、週2回のグラウンドゴルフや小学生の下校時の見守り、独居高齢者宅の訪問、キャンプ場の管理などを担っている。
「老人クラブは一生のお付き合い。楽しみながらやっている」と大西正好会長(74)。一方で「いつ、誰に会長を引き継ぐかが悩みの種」と打ち明ける。