明石市の新たなごみ処理施設の整備計画について、丸谷聡子市長が12日、神戸新聞社のインタビューに応じた。泉房穂前市長時代に策定が遅れた計画を引き継いだ丸谷市長。就任後に見直した現在の計画を「いかに施設の規模を小さくして経費を減らせるかを重視した」と説明した。一方で、将来のごみ処理広域化に向け、近隣首長と良好な関係性を築いていることを強調した。(聞き手・杉山雅崇)
-市長就任直前に策定された計画を泉市政から引き継いだ。
「現施設の変電設備でトラブルがあったり、計画自体が新型コロナ禍や環境省の新指針への対応で遅れていたりしたこともあり、速やかに進める必要があった。その一方で、一度立ち止まって計画の見直しに取り組み、熱心な議論の結果、焼却規模を減らした」
-計画の議論には、市議として意見していた。
「市が単独で新設するという方針が決まってからは、いかに施設の規模を小さくして経費を減らせるかを重視した。そのためにはごみの減量が必要だと思い、熱心に質問を重ねた。市長になってもその思いは変わらない」
-「もっと早く(新施設の)議論を始めるべきだった」との意見がある。
「私が市議になった2015年時点で、東播2市2町のごみ処理広域化の議論・計画は進んでいた。そこに明石も入るという選択肢はなかったのかな、と今になってみれば思う。当時は、(既存施設の)延命化を選択する自治体も多かった。ただ、当時の行政の中でどのような議論があったかは分からない」
-「子育て支援施策などを優先し、新ごみ処理施設や新市庁舎などのハード整備が遅れた」との見方もある。
「市として、どのタイミングで何を更新するかは財政状況を見ながらやっていかないといけないし、一定は平準化しないといけない。だからこそ、私は市民に財政状況を伝える『財政白書』をつくった。限りある財源なので、どう有効に使うかを常に考えていかないといけない」
-丸谷市長は市議会で「(新施設の)次は広域化だと思う」と答弁した。
「まずは現在の新ごみ処理施設計画推進に注力する。ただ、私自身としては、東播2市2町の首長さんとも、神戸市さんともすごくいい関係をつくらせてもらっていて、日ごろからそういう話もしている」
「現在、国の方針で県が広域化や集約化の検討を進めているはずなので、策定される計画を注視したい。新施設は(通常20年とされる稼働期間よりも)延命化する予定だが、どのタイミングで議論を始めるかは、長期的な視野を持って今から考えないといけない」
-新施設整備に向けて市民の理解をどう得るか。
「丁寧に情報提供を進めてきたが、議会や市民への進み具合の報告は続ける。現在、新たに導入する指定ごみ袋の住民説明会を各地区で行い、そこでごみ処理にかかっている税金やなぜごみ減量が必要なのかを資料を示しながら説明している。広報あかしやホームページで最新情報や詳細資料を提示していきたい」






















