少人数で小規模な森林の伐採・搬出などを手がけ、環境にも優しい「自伐型林業」が近年、兵庫県内でも少しずつ広がりをみせている。個人でも低コストで参入しやすいのが特徴で、高齢化する林業の担い手確保の一助にもなる。重要なのは、長年使える壊れにくい、小さな「作業道」の整備。長期間かけて「間伐・搬出」を繰り返し、持続可能な「小さな林業」を目指す。丹波篠山市は、本年度から担い手育成のための補助金制度を設け、新規参入者らへの支援を始めた。同市の事例を通じ、現状や課題を紹介する。(堀井正純)
従来の大規模な林業では、50年程度、木を育て、一帯の山林を皆伐し、再び植林・造林する。大型林道を整備し、大型機械で伐採する手法だが、近年は木材価格の低迷などにより、再造林できない場合もある。
対する「自伐型」は、森林経営を100~150年の長期的視点で考える。小型トラックが入れるほどの幅2・5メートル以下の作業道を開き、10年ごとに少しずつ間伐し、間伐材の販売で細く長く収入を得る。持続的な森林経営は、50年目からがスタートとなるという。
県内では、養父市、朝来市が「自伐型」への支援制度を設け、先行している。福井県勝山市や岩手県釜石市など、支援自治体は全国的に広がっている。






















