兵庫県の産業労働部長が同県加西市の企業から高級コーヒーメーカーなどを受け取っていたことを巡り、同部長は17日、兵庫県警から任意で話を聴かれたと明らかにした。受け取りは死亡した元西播磨県民局長の告発文書で発覚した。
この日あった県議会の産業労働常任委員会で、同部長が発言した。
6月下旬、県警関係者から「事実確認をしたい」と申し出があり、聴取に応じたという。「具体的な容疑ではなく事実確認ということで、総務部長には報告したが知事にはしなかった」と釈明した。
高級コーヒーメーカーについて、告発文書は斎藤知事が産業労働部長に指示して入手したとしていた。
産業労働部長は4月の同委員会で、昨年8月に知事がこの企業を視察した際、自身がコーヒーメーカーとトースター(計6万円相当)を送るよう依頼し、受け取ったと説明。「地元製品のPRで知事に使ってもらうつもりだった。知事に断られ、返却するのを忘れていた」と述べた。
文書で疑惑が浮上したことを受け、部長は受け取った製品を返却した。県は「個人で取得する意思はなく収賄罪には該当しない」と判断し、懲戒処分には当たらない「訓告」とした。